理事長挨拶
理事長 北 徹
神戸市の看護教育の歴史は、1926年に市立神戸診療所付属看護婦養成所として開設されたことに始まり、1981年に神戸市立看護短期大学、1996年に神戸市看護大学として開学し、2019年に公立大学法人へ移行、2026年には100年を迎えます。その間、優秀で実践力のある看護職者や教育研究者を輩出してきました。
我が国においては、人口減少・高齢化が急速に進み、時代の変遷とともに疾病構造が大きく変わっていく中、病気を「治す時代」から「治し支える時代」へと変化してきています。認知症をはじめとした高齢者特有の病態に対するケアがますます重要視されており、地域包括ケアの構築とその実践が急務です。
加えて我々を取り巻く環境、すなわちグローバル化の進展や生成AIをはじめとする人工知能テクノロジーの進歩など、多様化・複雑化する社会の変動にあわせて、看護職者には公衆衛生に対する深い知識を備えるとともに、高度な専門性や国際性、豊かな教養に裏付けられた人間性等が求められています。
地域の人々のニーズにこたえることができる看護職者としての心構え、そして必要な知識や技術をしっかりと教育し、このような状況に対応できる人材を育成するとともに、神戸市や近隣大学との綿密な連携・協力のもと地域の未来、地域の医療を支えるという本学の重要な役割を果たすべく、さらなる発展に努めてまいります。