がんプロとは
このたび、近畿圏の国公私立7大学9学部の医学、看護学、薬学、理工学系大学院研究科が相互連携し、多様化する新ニーズに対応した個別化医療を実践できるがん専門医療人の養成を推進する「7大学連携個別化がん医療実践者養成プラン」が文部科学省・平成29年度研究拠点形成費等補助金事業「多様な新ニーズに対応する「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」養成プラン」に採択されました。
近年、多様化するがん医療において直面する新たなニーズや課題への対応が求められています。本プランでは、①ゲノム医療の実用化に向けた課題、②希少がん及び小児がんにおける課題、③異なるライフステージのがん患者に生じる特有の課題をテーマに掲げ、3つのタスクフォース(ゲノム・サイエンス、教育イノベーション、マルチパートナーシップ・アライアンス)が有機的に連携することによって、患者中心の個別化医療を実践できる多職種のがん専門医療人材の養成を目指します。
神戸市看護大学の取り組み概要
本学大学院看護学研究科は、現存のがん看護専門看護師養成コースに加えて、地域医療部門に重点を置き、地域の医療機関で活躍するがん医療専門人の養成や人的交流を行います。また、がん医療情報の共有を図り、多職種が連携した広域医療ネットワーク構築を目指します。
● がん看護専門看護師養成コース
がん看護専門看護師養成コースは、本学大学院看護学研究科博士前期課程に配置されており、複雑で解決困難な看護問題をもつ個人や家族、集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供し、さまざまな問題を抱えるがん医療の現場を変革することのできる人材を育成しています。本コースは平成21年度、日本看護系大学協議会より、がん看護専門看護師教育課程として認定されました。これまで、本コース修了生10名が、がん看護専門看護師認定審査に合格しました(平成22年度5名、平成23年度5名)。現在、兵庫県・大阪府・京都府内で、がん看護専門看護師として活躍しています。
● がん地域連携コンサルテーション看護師養成コース
平成25年度4月より開講予定です。高度専門看護者として、地域のがん医療やがん看護の質向上に貢献できる人材を養成することを目的とします。がん患者や家族に対するシームレスな緩和ケア、在宅ケア、グリーフケアの提供ができ、がん患者や家族のQOLの向上、および死別後の遺族への身体面・心理面への援助に貢献できることを目標としています。高度な在宅緩和ケアと在宅ケアに関する知識・技術に関する教育内容であり、講義と病院の地域医療部や在宅での実習を組み込みます。
● がん看護インテンシブコース
『がん看護専門看護師実践力強化コース』
本学のがん看護専門看護師教育課程の修了生の能力をブラッシュアップするためのコースで、専門的知識を深め、エビデンスに基づく的確な臨床判断応力を高めていくと共に、看護実践を変革していくための力を獲得していくことを目指しています。フィジカルアセスメント、病態生理学、臨床薬理学、看護イノベーション論などを開講します。また、がん看護専門看護師の実践力向上、役割開発、ネットワーク作りを目的として開催している事例検討会にも参加していただきます
『在宅緩和ケアコース』
平成24年度後期より開催予定です。緩和ケアを必要としているがん患者及び家族のケアを提供している訪問看護師を対象に地域のがん医療やがん看護の質向上に貢献できる人材の養成を目的とします。がん患者や家族に対する高度な緩和ケアや在宅ケアの知識・技術を学ぶことにより、在宅緩和ケアの提供ができ、がん患者や家族のQOLの向上に貢献できることを目標にしています。
『グリーフケアコース』
平成24年度後期より開催予定です。病院内または在宅で緩和ケアを提供しているがん看護専門看護師、緩和ケア認定看護師あるいは訪問看護師を対象に、終末期がん看護の家族や死別後の遺族のケアの質向上に貢献できる人材の養成を目的とします。終末期がん患者の家族の予期悲嘆や死別後の悲嘆反応、悲嘆の心理過程、グリーフケアの知識や技術を学ぶことにより、グリーフケアの提供ができ、終末期がん患者の家族や遺族のQOLの向上に貢献できることを目標にしています。