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4年間の学び

Four years of learning

4年間の学びの特徴

4年間の学士課程を通して、看護学の基盤となる様々な学問領域における知識と教養を身につけます。また、専門教育では、看護実践に必要な知識と基本的技術を習得します。

1
看護の基礎と人間力を養う

看護の基礎となる知識・技術を学ぶ1年生は、講義が中心。看護の対象となる人間を多面的に理解し、個人の看護観を形成していきます。また、一般教養科目を通じて、社会人として活躍していく上で大切な、幅広い教養と豊かな人間性を養います。後期には、地域や病院で初めての実習を経験します。

ナース英語A・B

医療英単語や医療現場での英会話を学びます。また、英語の長文を読んで読解力を伸ばし、その内容を通して異文化理解を促進します。ネイティブ教員による「コミュニケーション英語」と合わせて、実践的な英語力を身に付けます。

神戸学

ちょっと洋風な、でも、実は畿内に在って日本の中でもずっと昔から開けていた街。「よそ者」が行き交い、他者に寛容な街。衣食住政経の歴史をひもとき、語り出すと話の尽きない街。知れば知るほど奥深い神戸について、毎回多様な分野の専門家に講義いただき、多角的な視点から理解を深めます。

人体機能論

生命体は、どのように成り立ち、維持されているのでしょうか。医療の基礎科目である人体機能論では、循環器系、呼吸器系、神経系などの器官系の機能と役割について、分子からシステムまでさまざまなレベルの視点から総合的に理解を深めていきます。器官系が相互に関連し合い統合されている点にも注目します。

学⽣の声

1年間で看護の基礎をしっかり身に付けたいと思いますIさん(兵庫・芦屋学園高校出身)

必修科目の「看護学原論A」は、「人間とは」などこれまで考えたこともなかったような看護の根本から学ぶので、毎回とても新鮮です。選択科目は「生活文化史」や「哲学」「コリア語」など、興味のあるものを中心に選択。苦手な「化学」にもチャレンジしています。

同級生は私と同じように保健師を目指す人をはじめ、将来の目標が明確な人ばかりなので刺激になります。学内で一緒に勉強することも多く、最近は時間を見つけては、演習室を予約して「看護技術入門」で習ったばかりのベッドメイキングの自主練習に励んでいます。この1年間、基礎をしっかり勉強して万全の状態で2年生に上がりたいと思います。

いちかんを選んだ理由

きっかけは母と伯母に熱烈に勧められたことで、現役看護師の2人から見て、実習先の病院やカリキュラムが魅力的だったようです。それで興味を持ち、オープンキャンパスに参加したところ、まず建物がきれいなことにびっくり!地域に密着した学びができる点も保健師として活かせそうだと感じ、すぐに志望校に決めました。

2
看護の専門知識を身に付ける

1年生で学んだ看護の基礎知識・技術をさらに発展させ、内容の専門性が高まる2年生。ライフサイクルや疾患の状態ごとの特徴を捉え、それぞれに応じた看護のポイントを学び、3年生から本格化する実習に備えます。また、地域看護についても学びを深めます。

老年健康生活支援論

老年期の身体的・精神的・社会的機能の特性やその生活を理解し、健やかに老い、穏やかな死を迎えるための援助方法を創出する基盤となる知識を、教育ボランティアの方の講話をはじめ、講義、演習、フィールドワークから学習します。

公衆衛生学

人間集団の「健康」について理解し、地域における公衆衛生活動の実践について学ぶことで、看護実践への適用について考察できることを目指しています。そのための基礎となる疫学、保健統計学、環境保健学、国際保健学、ヘルスプロモーションなどについても理解し、実践に応用できるよう学習します。

在宅看護論Ⅰ・Ⅱ

わが国では、住み慣れた自宅を中心とした〝在宅〞で看護職が活躍することが期待されています。授業では、在宅看護が必要とされる社会的背景や、施策・制度、その課題について学びます。また、在宅という生活の場で行う看護の特徴や役割、他の専門職とどのように協働していくかについても理解します。

学⽣の声

専門的な知識の数々を地道に覚えていっていますKさん(兵庫・県立星陵高校出身)

2年生になってほとんどが必修科目となり、専門的な内容が増えてきました。「小児健康生活支援論」「急性期看護論」など対象ごとにフォーカスを当てた科目で、各発達段階・病期に求められる看護の知識や技術を学んでいます。座学が多い中、説明の合間に先生が話してくださる看護師時代の経験談は、イメージを膨らませるのに役立っています。

1年生と比べると覚えることが格段に増え、知識を頭にたたき込むのは大変です。ただ、3年生で領域別実習に行った時に、「『この年代の人はこういう特徴があったな』と授業で習ったことを思い出せれば」という思いで頑張っています。

男子学生について

学年95人中、男子は6人とかなり少ないですが、その分、男子同士はめちゃくちゃ仲がいいです。清拭や洗髪といった看護技術を学ぶ時は看護師役、患者役、観察者役に分かれて実践するなどグループワークが中心で、脱衣が必要なことも当然あります。ただ、その場合は男女別々のグループにして、カーテンを閉めてもOKにしてくれるなど配慮してもらっているので問題ありません。

3
臨床を見据えた実践力を磨く

前期は実習を見据え、それぞれの分野における看護の特徴や違いなどをより具体的に学びます。後期にはいよいよ領域別実習がスタート。6つの領域の実習先をグループごとに順番に回り、科学的根拠に基づく看護を実践します。

小児看護援助論

子どもは乳児期からその子なりの分かる・できる能力を持ち、生きています。そのため、子どもの健康状態は発達課題、生活、家族に影響を与えます。授業では、子どもの身体をアセスメントする技術、健康障害を持つ乳児~思春期の子の事例を用いての疾患理解、子どもの能力を引き出すケアなどを学びます。

がん看護論

2人に1人ががんに罹患(りかん)する時代。がん患者の生活やがん患者を取り巻く多様な状況を理解し、QOL(生活の質)向上を目指した全人的ケアを提供していくために、がん医療の基本的な考え方や治療過程における看護援助、がんと共に生きる人々の看護援助について学習することを狙いとしています。

精神療養生活支援論

心の病を経験している人々を理解し、治療的な関係性を構築して、援助する方法を学びます。模擬カンファレンスで精神機能のアセスメント※をしたり、援助場面のロールプレイをしたりと、実践を意識した授業を行います。
※アセスメント:患者さん一人一人に必要な看護を考えること

学⽣の声

事例演習を重ねて援助の引き出しを増やしていますTさん(兵庫・県立須磨友が丘高校出身)

3年生の前期は事例演習が中心です。実際の患者さんの情報を学習用に整理したペーパー・ペイシェントについて、家族構成の関連図を書いたり、疾患に関する医学系の論文を当たったりして理解を深めた上で問題点を探し、援助の方向性を考えていきます。

個人課題が出されることもあれば、グループワークの場合もあり、教科によってさまざまです。パワーポイントにまとめてみんなの前で発表する、グループでディスカッションするなど形式もいろいろ。行き詰まったときは先生からヒントやアドバイスを頂き、もう一度考え直してみます。実習では多様な患者さんを受け持たせてもらうので、関わり方や援助の仕方など多くのことを学んでいきたいです。

将来の夢

命の授業で「生まれるってすごい!」と感動した小学2年生の時からずっと、夢は助産師になること。高校時代にユニティ高大連携講座を受講し、「もっと学びたい」といちかんに入学。思春期ピアカウンセラーの資格を取り、K-Spring Peerの一員として活動しています。大学院に進学し、助産師の資格を取りたいです。

4
夢に向かって総仕上げ

看護学生としての集大成の年。「研究演習」での研究や「総合実習」などを通して、3年生までに学んだ知識・技術を統合し、看護実践力に磨きをかけていきます。保健師教育課程は授業や実習が本格化。就職や進学など将来に向けた活動や、看護師・保健師国家資格の勉強も大詰めに入ります。

研究演習

学生はいずれかの分野に所属し、個人あるいはグループで卒業研究を行います。週1回程度のゼミ方式で演習を進め、自ら設定したテーマに関して教員の指導を受けながら論文を作成し、12月の卒論発表会で成果を披露。問題解決や仮説検証のために必要かつ適切な研究方法について学び、研究活動の基本を習得します。

看護学ゼミナール

看護学の最新の研究動向を踏まえた話題や専門領域の諸問題を題材に、議論を深めます。例えば、慢性病看護学では、フットケアをテーマに学習し技術を身に付けたり、神戸看護学会の学生企画を企画・運営したりするなど、興味のあることを仲間や教員と共に思いきり楽しく学べる科目です。

看護管理学

2年生の「看護管理学Ⅰ」で学んだ理論や概念と、4年生の「総合実習」で見学した看護管理の実際とを統合する授業です。グループワークなどを通して看護管理の役割を理解し、卒業後、自分自身が組織人としてどのようなフォロワーシップを発揮していくかを考えます。

学⽣の声

研究や保健師教育課程の勉強で忙しくも充実していますTさん(兵庫・県立須磨東高校出身)

4年生から始まる「研究演習」では、基礎看護学分野でリフレクションをテーマに研究中。担当の先生に研究の進め方から教わり、学びを深めています。週1回の発表会には同じ分野の学生8人と先生6人が参加するのでさまざまな角度から助言を頂き、発表する力も付きます。

また、保健師教育課程の必修科目が本格的に始まりました。グループワークが多く、「地域看護診断論」では4人1組で担当地区の課題を分析し、調べたことを授業で発表します。担当する神戸市垂水区へは授業時間外にメンバーと出向き、区民が使うバスに乗ってみるなどデータだけでは分からない情報もチェック。後期の実習は垂水区の保健センターに行かせていただき、前期に見つけた地域課題の解消に向けた健康教室を開いたり、保健師さんの力を借りながら地域で支援活動をしたりする予定です。

保健師教育課程

看護師に憧れて入学したものの、実習を機に患者さんの退院後が気になり始め、保健師の仕事を知って夢が変わりました。授業が多い分大変ですが、みんなで励まし合って頑張っています。