佐藤隆平 准教授(急性期看護学分野)の論文が日本呼吸療法医学会の2023年度奨励論文賞を受賞しました!
佐藤隆平 准教授(急性期看護学分野)の論文「わが国のICUにおける人工呼吸器装着患者に対するABCDEFバンドル実施の実態調査:記述研究」が,日本呼吸療法医学会の2023年度奨励論文賞を受賞しました!
佐藤隆平 准教授からのコメント
受賞について、大変うれしく思います。私どもの論文は2名の共同第一筆頭者(私と東海大学医学部付属病院の池田優太氏)という形で投稿いたしました。この研究は、わが国の集中治療室(ICU)における人工呼吸器装着患者に対するABCDEFバンドルの実施割合を明らかにするために実施しました。ABCDEFバンドルとは、人工呼吸器装着患者に対する包括的なケア指針で、生存率の向上、人工呼吸器期間の短縮などに関連するとされ、実施が推奨されています。具体的に述べますと、ABCDEFバンドルとは、ICUの患者に対して、疼痛の評価・予防・管理(Assess,prevent,and manage pain)、自発覚醒トライアル(Spontaneous awakening trial:SAT)と自発呼吸トライアルSpontaneous breathing trial:SBT)(Both SATs and SBTs)、鎮痛・鎮静剤の選択(Choice of analgesia and sedation)、せん妄の評価・予防・管理(Delirium: assess,prevent,and manage)、早期離床と運動(Early mobility and exercise)、家族の支援とエンパワメント(Family engagement and empowerment)の6つのケアを包括的に行うケアバンドルです。研究対象者はクリティカルケア認定看護師及び集中ケア認定看護師とその教育過程に在学中の看護師とし、アンケート調査をしました。私たちの研究の結果では、F以外のバンドル各コンポーネントの実施割合は5割以上でした。しかしFの実施割合が著しく低く、バンドル実施割合は1%未満でした。このFの実施割合の低さは、COVID-19パンデミックによる面会制限によるものと思われました。今後は、実際の実施割合を測定し、障壁を明らかにする必要があると考えております。
論文
ぜひ、下記をクリックして一読ください。
https://doi.org/10.50903/jsrcm.39.2_184
学会賞
2023年度受賞論文に関する詳細は、下記よりご確認ください。
http://square.umin.ac.jp/jrcm/contents/award/award2023.html