授業の概要
- 日時:2018年6月20日(月)、27日(月)
- 対象学生:3年生96名
- 教育ボランティア参加者:8名
- 担当教員:片倉、宇多、加利川
6月20日(月)27日(月)の2回にわたって、ご夫婦やボランティアを通じてのお仲間同士のペ ア4組の教育ボランティアの皆様のご協力をいただき「訪問看護シミュレーション」の演習を行いました。この演習は、退院して間もない脳梗塞で右半身麻痺のある高齢療養者とその介護をされる妻に対して、訪問看護計画 を学生が立案し、看護を実際に行うものです。訪問の場面では、実際の訪問看護で学生が遭遇する状況を設定し、 在宅療養者とその介護者(妻)を教育ボランティアの皆様にシナリオに沿って演じていただきました。
演習のスタイルは、代表学生がシミュレーションを行う中で他の学生が意見や助言をする「ともに考えて進む シミュレーション」と、場面終了毎に教育ボランティアさんを交えてのディスカッションから「振り返り」を行 うものです。
シミュレーションでは、訪問看護師役の学生は、在宅療養者と介護する妻の表情やしぐさ、散らばったゴミな どの生活環境を五感で体験します。他の学生は、共感覚を体験しながら客観的に、感じていることや考えている ことが行動できるよう言葉をかけたり、提案したりします。そして、上手く進まない「在宅リハビリテーション」 に対する療養者の不安や介護疲れに対する妻への支援の必要性に気づいていきました。また、訪問看護の目的を 説明する場面では、介護をする妻役の教育ボランティアさんから「とても頼りにしています。よろしくお願いし ます。」と声をかけていただき、学生は「信頼して任せようと思ってもらえたのであればとてもうれしい」と自 信を得る場面もありました。学生は、経時的に変化する療養者や家族のニーズに対応する支援や信頼関係を築く ための訪問時のマナーについて学ぶことができました。
振り返りでは、教育ボランティアさんから「元気よく対応すると印象が良い」や「療養者や家族も緊張してい るので、ほぐしながらこちらのスピードに合わせてほしい」などのアドバイスを学生へいただきました。また、 介護経験のある教育ボランティアさんからは、「家族は、療養者と24時間ほとんどの時間一緒に過ごしている ので少しの変化や異変にも気付くことができます。家族の気付きや意見に耳を傾けてほしい。」と話してくださ いました。学生は、療養者とその家族の生活の場で、受け入れられる看護とはどういう事なのか、在宅での家族 を含めた看護の重要性を改めて学ぶことができました。
最後に、今年で6年目を迎えることができましたことは、教育ボランティアの皆様のご協力あってのことと感 謝申し上げます。